さまざまなビジネスが日夜うまれている。それはデジタル分野だけでなく、アナログなものづくりの世界でも起こっている。このコラムでは、これまでの業界の常識を変え、世の中を変えようとする取り組みを紹介する。

iPhone X(sim free)がauの電波をつかむのにかかった時間と心労とコスト
カテゴリー:ビジネス、ライフスタイル

11月3日、10周年記念モデルiPhone Xがついに発売になりました。
発売前からかなりの品薄が噂されていたので、iPhoneユーザーは予約開始の10月28日、16時01分は正座して待っていたのではないでしょうか。

川上はiPhone 6sユーザーでもう18ヶ月ほど使っているので、そろそろサクサク動くやつが欲しいとiPhone Xを狙っていました。現在の契約はauですが、早く手に入るかなと、今回はApple storeのsim lock freeを購入してみようと。
経営学者として、なにごとも実験。実費で実験。これ鉄則です。

ということで、なんだかんだで、邪心なくいい子にしてたら、初日に手に入れることができるようになりました。

やったぜ、川上。くるぜ!友人たちはことごとく失敗した初日入手ですが、川上はやりました。

浮かれ気分で初日ゲットだぜ。ふふふん。と言いふらしていたら、
10月30日の朝方、不幸のメールがきました。なんと、なんのことわりもなく、ゲットしたはずのXがキャンセルされているではないですか。

いやいやいや、おいおいおい。なんですかこれは。
調子に乗ったから鉄槌が下ったのか、6sのカメラで素行調査でもされていたのか、いずれにしても言葉になりません。
ぼくだけかと思い、念のためツイッターを調べると、なんとかなりのケースでそれが起こっています。いわゆる「iPhone Xキャンセル祭」ではないですか。

こいつは参った。でも一人じゃないからいいか。いやよくない、よくない。諦めきれない。。。メールを見て以来、すっかりテンションがさがりました。

しかし、その日の夕方、もう一度確認したところ、なんと予約が戻っているではありませんか。そう「iPhone X復活祭」です。
ということで、無事発売日に送られてきて、入手いたしました。

すべての設定がおわり、電話をしようとして気づきます。
電波がきていない。圏外です。

脇にあったMACを使って調べてみると、auのsimは、そのままでは使えない(volteに変えないといけない)ことが判明しました。ドコモやソフトバンクでは、そのまま使えるのに、、、ということで、設定が終わったにも関わらず、simカードを6sに戻し、涙をこらえました。

結局当日もなにもできず、翌日auショップにsimカードを買いにいくはめになります。

ネットでスマートに完了したはずのiPhone X購入、しかも「sim lock free」なのに、結局ショップにくるとは。土曜日なので混んでいます。この無駄なやり取りはなんだ、とイライラが募ります。

やっと順番がきて、simカードを買います。が、これは単純にsimカードを買うという行為ではないのです。「持ち込み機種変更」になるのです。
まず事務手数料3,240円がかかります。それで終わればよいのですが、auのiPhone6sで残っている月々サポート的な値引き措置が打ち切られ、この時点から契約料をマトモに取られます。半年ほどの値引きが残っていたので、それを加えれば、15,000円ほど余計にかかったということです。

繰り返しいいますが、ドコモやソフトバンクのユーザーはこんな作業は無用です。そのままスマートにsim lock freeに移行できます。

おとなしくauのキャリア専用機を買えば、こういうことは起こらないのですが、すぐに海外も使う予定があるので、sim lock free一択になります(キャリア機でも半年後にはfreeにできます)。そして、肝心のauで予約開始16時台に頼んだiPhoneは、発売日を過ぎた11月7日現在でも、入荷日程が未定のままです。

そろそろまとめます。笑。
ぼくたちは製品を買っているわけではありません。それを使って得る便益や価値を買っています。いくらiPhone Xとはいえ、電波をつかまなければ無意味です。それを購入し、使い、経験を得るまでが、企業の評価になります。今回はauにしてやられました。こんなに経験を邪魔されたことは始めてです。

もちろん、「auのキャリア機を買えば問題ないでしょ?」とauの方に叱られそうですが、こちらはAppleが最もストレスのないものとして提供しているsim lock free機をわざわざ買っているわけです。それを通信企業が邪魔するというのは、あまりにも企業都合優先といえます。残念すぎます。

スマートにやったつもりが、こんなにもストレスがかかるなんて。
ストレスは、ユーザーが企業から離反するのに十分な理由となります。ということで、川上はそろそろauから身を引こうと思います。さらにコストがかかりますが。笑。

ちなみに、auの電波でiPhone Xを使いたい方は、sim lock free機ではなく、くれぐれもauショップでご購入を。教訓でした。