さまざまなビジネスが日夜うまれている。それはデジタル分野だけでなく、アナログなものづくりの世界でも起こっている。このコラムでは、これまでの業界の常識を変え、世の中を変えようとする取り組みを紹介する。

世界的コンサルタントの「原体験」
カテゴリー:ビジネス

あなたの趣味はなんですか?
と聞かれて、いつも返答に困る川上です。というのも、なにか特定のカテゴリーのものに粘着的にこだわることがないのです。
経営学者やビジネス書作家的なことをやっていると、トレンドを知る必要があるので、なんでも買ってなんでも試したくなります。

気づけば、これは趣味なのか、仕事なのか、わからなくなります。「ビジネスの勉強」そのものも好きでやっているので、趣味みたいなものですが、それはそのまま「ビジネス」だったりもするわけです。映画もすごく好きだけど、すごく偏ってたり。そう、香港映画とかアクション映画ばかり見ているので。笑。

そうなると、一体自分の趣味ってなんだ?と、あらためて思います。

なぜこんなことを言い出すのかというと…。

最近、尊敬する大前研一さんとこんなお仕事をさせていただき、週に何回も同席させていただきます。いくつかの案件を一緒にさせていただいています。そこで、ありがたいことにたくさんのお話を、砂かぶりよりも近い距離で聞かせてもらう機会に恵まれています。

大前さんとご一緒させていただいて、いかに大前さんが多趣味で、しかもその趣味の全てに全力投球されているかが、わかります。現在でもバイクで全国を回ったり、スキューバやスキーに興じられています。しかしひとつひとつの趣味の内容が深いです。

それがビジネスでも生かされており、そのときのエピソードを聞くことがあります。そして、実はその「原体験」の多くが大前さんの添乗員時代の過去にあるとおっしゃいます。
て、え?世界的コンサルタントで経営学者の過去が「添乗員???!」

実は大前さん、高校時代よりクラリネット奏者で東京芸大をめざされていました。学生時代によいクラリネットを買うために思案した結果、ギャラの高い、JTBの添乗員をアルバイトを選んだのでした。

そのときのエピソードを綴った著書が実はあるのです。
青年大前研一は、いかにして人生の極意を掴み取ったのか?

この本、皆さんに読んでほしいのですが、悔しいことにもう絶版なのです。ぼくは12年ほど前に、購入していました。大前さんの本はほとんどチェックしたのでラッキーです。そしてこの度、今一度本棚からとりだし、じっくり読んでみました。

感想はぜひ皆さんの目で。これ、本当に最高です。
ビジネスパーソンの皆さん、これは必読です。これに今ぼくがタイトルをつけるとすれば
『経営コンサルタント 大前研一:エピソードゼロ』です。
すみません、原題のほうがいいですね。笑。

ということで、皆さん、この本なんとか手に入れてください!ビジネス書ではないので、旅好きの方や、自分がなぜ今の仕事を選んだのかを思い悩んでいる人、もちろん老若男女問わず、面白く読める内容になっています。

そして、最初の問いに戻ります。自分の趣味ってなんだろう?
ぼくには旅が足りていないのかもしれませんね。