さまざまなビジネスが日夜うまれている。それはデジタル分野だけでなく、アナログなものづくりの世界でも起こっている。このコラムでは、これまでの業界の常識を変え、世の中を変えようとする取り組みを紹介する。

【潜入してみた】WeWorkは、従来の貸オフィスとなにが違うのか?
カテゴリー:ビジネス

テクノロジーで不動産を変えるWeWork。
いよいよ日本上陸です。ソフトバンクがバックアップし、44億ドル(約5,000億円)を投資したことでも話題になりました。

小売業やファッション業をやっていたミゲル・マケルビーとアダム・ニューマンという門外漢が、不動産ビジネスで革命をおこしています。
超簡単にいえば、有休のオフィスビルのフロアを借り切り、それを小分けにして貸し出すビジネスモデルです。このようにみれば、単なるコワーキングスペースだろと思い、従来の不動産業の方々は、思考を閉ざしてしまいます。川上もアメリカから帰ってこの話を不動産業の方にしたら、「あ、はいはい。貸オフィスね」と一蹴されましたが、その程度の話、プロにするほど野暮ではありません。笑。

詳細は、 HP や各種メディアに詳しく出ているので、そちらを見ていただくとして。川上は、5月にご縁あってサンフランシスコ・トランスベイで、WeWorkのオフィスに入れてもらいましたので、いわゆる従来の「貸オフィス」となにが違っているのかをレポートします。

WeWorkは、スターバックスの置き換えにもなり、なんならフェイスブックの置き換えにもなるといわれていますが、結論から言うと、その意味がよくわかりました。オフィスを借りて(あるいは借りなくても)会員になれば、世界中にあるWeWorkの共用スペースを使えます。充電ジプシーになることもなく、急なプリントアウトなどの雑用にも対応でき、さらにゆっくりと過ごせるのです。

まずは、ハード面から。とにかくかっこいいです。オフィススペースは小さいのですが、共用スペースのなんとひろいこと。ビリヤード台や、ホッケーゲームなんか置いてます。みんなそんな感じで遊びながら、違う会社の人々が交流しています。

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そして、ここのオフィス会員以外の会員(たとえばNYの会員)が使えるスペースも、スタバみたいでかっこいいです。スタバというよりも、Apple storeといったほうが近いかも。そこで作業ができます。

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スタバでコーヒー買ってMacBookを開く(古い)なんてレベルのものではありません。とにかくテーブルやフロアのデザインがかっこいいのです。コーヒーとか、オリジナルのドラフトビアーまであります。

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コンセプト的には、「オフィスから出てきて、みんなで共用スペースでのんびりようよ」的な空気感が流れています。つまり、「交流しようぜ」感が半端ないです。あえてオフィススペースを狭くしていると言われても納得します。
川上がソファに座っていても、みんな「日本からきたのか?」て声をかけてくれます。「何が得意?なにができるの?」と。聞けばAMEXなどのアメリカの大手企業も、スタートアップ等にまじって、あえてWeWorkで拠点を持っています。そうすることで、最先端のネットワーキングをしているとのこと。

なぜみんなWeWorkに集まってくるのか?それは、ちょっとした小物の使い方とか、飲み物サービスとか、オフィスと共用スペースの配分とか、とにかくタッチポイントのすみずみまで、ユーザーをくすぐるからです。微に入り細に入りです。うん、かっこいいです。

これはもう、アパレル業や小売業の人だからこそ気づくところですね。不動産業の方がやると、効率性とか気にして、こういうところにコストをかけないでしょう。ライフスタイルを十分に意識したやり方で、これまでの「貸しオフィス」とは全く異なります。もはや場所貸しの不動産的な匂いは一切しません。クリエイターのコミュニティをつくる会社ですね。

さらに、WeWorkには会員だけが入れるSNSがあります。前回のWeWork会員がそこで、ネットワークを作り、クラウドソーシングとかが頻繁にされています。それも見せてもらいました。

たとえば「おれのビジネスでいまJAVASCRIPT書けるやつさがしてるんだけど、だれかぱぱっとやってくんない?」と誰かがといかければ、「あ、いいよ。ギャラこれくらいちょうだい」みたいなやりとりがかわされています。あとは、「BBQします」や、「野球やろうぜ」、といったイベントの告知なんかも。これがfacebookの置き換えになる理由ですね。つまり、世界中に散らばる「クリエイターの社交界」がそこにあります。

WeWorkは全世界でどんどん増え続けています。おしゃれオフィスとしてだけではなく、リアル版facebookとして、さらに多くの人がしるところとなるでしょう。
結論。「日本にある貸オフィスとは、なにもかも違う」。不動産屋さん、是非見に行ってください。

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