さまざまなビジネスが日夜うまれている。それはデジタル分野だけでなく、アナログなものづくりの世界でも起こっている。このコラムでは、これまでの業界の常識を変え、世の中を変えようとする取り組みを紹介する。

帰ってきたスパイダーマン
カテゴリー:エンタメ、ビジネス

今年はまれにみる映画豊作年です。たくさんみてますし、それでも追い付いていないくらいです。そして、夏から秋シーズン。ここにも大作が目白押しです。

そんななか、先日みてきたのが、『スパイダーマン:ホームカミング』です。今回のタイトルは円谷プロならこうするだろうという感じでつけました。笑。

さて、スパイダーマンの映画化は2002年の「スパイダーマン」から数えて6作目。シリーズで言うと、サムライミ版が3作、マークウェッブ版が2作、そして今回。まぁ、よくも役者をころころ変えてやるもんだなと思いますが、毎回劇場に行ってしまいます。

いや、もういいかなと思ったのですが、今回は事情が違うのです。全然違うのです。なんとマーベルのアベンジャーズがいる世界観、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でスパイダーマンが活躍するのです。

ちなみに、タイトルの「ホームカミング」は主人公ピーターがいくプロム(ダンパ)の名前なのですが、実は「スパイダーマンがマーベルに帰ってきたぜ」という意味もあります。

ということで、この映画を100倍楽しむ方法を、内容のネタバレ一切なしで話します。
2002年のスパイダーマン、大ヒットしましたよね。これは、97年に一度破たんした出版社のマーベルが、課金の方法を考えた末にみつけた「ライセンスアウト」というやり方でできたものです。つまり、キャラの権利を貸し出すかわりに、レンタル料をいただきます。大きなキャラでは、ソニーにはスパイダーマンを、20世紀FOXにはX-メンを貸し出します。

そのライセンス料のおかげでマーベルは潤います。なにより、98年にはToy Bizという玩具の会社と一緒になっています。映画が公開されれば、キャラクターの玩具の売上が爆発的にうれるのです。それに、そのほかの玩具会社や、ゲーム、それに食品などのライセンス料が発生します。これが売れるわけです。

そうして、マーベルは、自社のリスク一切なしで、ライセンス収入ばかりを手に入れる会社になります。専門的なことを言うと、粗利100%のビジネス、しかもいわゆる「チャリンチャリン」です。
それに、広告宣伝のコストすら必要ありません。それらは映画のプロモーションとして、ソニーやFOXが負担してくれるのですから。元ネタというのは、本当に強いです。
しかしマーベルは……あ、いけない。長くなりすぎました。
つづきはまた次回に。笑。お楽しみに(怒らないでください)。

ちなみに興奮のあまりひさびさにパンフレット買いましたが、820円もしました。おそろしく高くなっているのにびっくりです。

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※今回の内容、ディテールはマニアの方にぜひ補強をお願いします。