日本の家電が、かなりしんどい思いをしています。
とうとうTOSHIBAがテレビ事業を中国に売却します。
REGZA、よいテレビなんですが収益化ができていないのですね。好きだったんですが。
そんなTOSHIBAもSHARPもすきだったけど、みんな元気がありません。
日本の家電は、本当に元気がない。
そんな折、今年5月、「SONYはマネタイズ(収益化)の方法を変えて攻めるぞ」と、平井社長が宣言しました。そのキーワードがリカーリングモデルです。
リカーリングとは、売り切りではなく、サービスを通じて収益を得続けるお金の取り方です。ご存知のようにSONYは、家電メーカーというか、収益構成で見ればもはや「金融会社」です。とくに柱になっている「生命保険」は、リカーリングモデルの最たるやり方。
これをエレキにも適用しようというわけです。
それが垣間見える事例がこれです。新型aibo。初代が1999年に犬型ロボットとして登場してから、ブランクを経て、2017年に復活しました。
本体は198,000円。が、そこから、aiboのアップグレードや、メンテナンスでお金をいただくようなマネタイズのやり方です。aiboベーシックプランに加入する必要があるので、月に2,980円を3年間ユーザーは支払います。
Aiboはかわいい。でも、リカーリングまでしてみんな欲しがるのか。疑問がわいてきます。
が、aiboがなんのリプレイス(置き換え)かをかんがえると、実はそんなにこのリカーリングが、顧客にとって無理のないマネタイズであることが分かります。
ペットを飼うには、餌代も、病気になった時の病院代もかかるわけです。ペット好きなかたなら、それと比較することで、心を落ち着けることはできそうですが。笑。
このようなリカーリングモデルをとるやり方でなくても、すこし角度を変えれば別のやり方もあります。たとえば、デアゴスティーニのロビ。これに関しては、作ること自体をリカーリングにしています。まさに、aiboよりもっと手前で、完成品になるまでの過程をたのしむプロダクト。約2年にわたって、ユーザーが自分で作り上げていきます。
ここにも、ロビクリニックといったコミュニティもあり、ユーザーはロビが出来上がるまでのあいだ、あるいはできあがってからも、さまざまにコミュニケーションをとることができます。
継続的に収入を得ようと思えば、カネのことばかりではなく、逆にどうやったらユーザーを喜ばせ続けるかが、鍵です。つまり、課金ポイントはタッチポイントの裏返し。
リカーリングはまさに、顧客にどう関わり続けるかが問題ですね。