さまざまなビジネスが日夜うまれている。それはデジタル分野だけでなく、アナログなものづくりの世界でも起こっている。このコラムでは、これまでの業界の常識を変え、世の中を変えようとする取り組みを紹介する。

主婦やマニアから絶大な支持を得るために 〜本音を語るなら「カネ」をもらうな
カテゴリー:ビジネス

最近話題になっている「LDK」や「家電批評」をご存知ですか。
この本が注目されるのは「真剣な比較」。たとえばLDKなら、ピーラーなどの女性が使用する調理器具などに注目し、それらを徹底比較しています。「家電批評」は家電好きな方を読者として、たとえば4Kテレビなどを対象に、買うべきものや買わないほうがよいものまでランク付けして掲載しています。ときには、辛辣なことも書いてあります。

こういった特集などは、これまで多くの雑誌でもされていたし、ネット記事などでも多く存在していました。しかし、どうでしょう。記事と思って読んだら広告だったり、あるいはレビューにステマがあったりして、本当にその内容が正しいのかが、怪しいと思ったことはないでしょうか。

LDKや家電批評を世に送り出す晋遊舎は、この広告と決別し、徹底的に独立な立場から、モノの比較をしています。雑誌の課金ポイントと言えば、わたしたち読者が支払う「価格」だけではなく、スポンサーが支払う「広告料」がきわめて大きな割合を占めます。そのため、スポンサーに気を使った記事になるため、どうしても、中立性を欠いたレビューになってしまうのです。

ファッション雑誌などはもはや広告だらけです。わかりやすいブランドの広告があるかと思えば、特集記事に登場する洋服やバッグなどもスポンサーが現物や費用の負担をしています。そうなると、もはやカタログにお金を支払っているようなものです。

晋遊舎が世に出す、読者目線に立った痛烈な記事は、ノースポンサードだからこそ実現しているのです。それによって本音を求める主婦や、ある程度モノをしっているガジェット好きの支持を得ます。広告だらけの、いや課金だらけの状態では、スポンサーへの気遣いからできなかったことです。

このように、業界のビジネスモデル(雑誌は広告モデル)から抜け出したやり方は、業界に一石を投じます。世の中の常識、会社の常識を、組織の常識をあえて裏切った先にある、「とがったエッジ」。このコラムもノースポンサードでお届けしました(笑)。みなさんのライフスタイルにも参考になれば!