みなさんが興味が無いのであまり話しませんが、その昔、ぼくもエレキギターキッズでした。かなりのめり込み、ウィーーーンといっていたものでした。たくさんあったギターも弾かなくなって処分してしまいましたが、現在ディスプレイとなっております。そのなごりたちがこれです。
(写真)奥のものは15歳の時からの愛機ギブソン君です。
ぼくたちが中高生のときは空前のバンドブームでした。みんながはじめては挫折し、、、という時代。ぼくは性に合っていたので、だいて寝るほど好きでしたが、始めたきっかけはやっぱり「モテたい」からだったと思います。笑。
動機がそんなんだわ、そもそも音楽の素地がないだわで、はじめるのがエレキ。ユーザーがそもそも情操教育とか受けてないんだから、そりゃあ普通は挫折しますよね。
だからこそ、ギターテクがあるプレイヤーは、それはリスペクトされモテたもんですが、ギター・メーカーとしてはより多くの人に続けてもらいたいわけです。なぜならギタリストはうまくなればかならずギターを買い足します。ぼくも多いときは10本はありましたし、買い替えたものも入れれば延べで20本ほどローテーションしていました。
そこで、挫折させないような取り組みが必要になるわけです。そこで、かのギター・メーカーのフェンダーが動き出したのが、これ。「フェンダー プレー」。
フェンダーは、ギター購入者の約9割が3ヶ月以内に楽器をやめてしまっているという情報をもとに、練習動画をストリーミングし、「3ヶ月の壁」を乗り越えてもらおうとしています。
具体的には、自分が習得したいジャンルや曲調などの質問に答えれば、それに合わせた”ラーニングパス”カリキュラムが作成され、あとは動画を見ながら、課題曲や基礎的な技術、リフなどが無理なく練習できる、、、というシロモノ。
ギターキッズが知りたい、あの弾き方どうなってんの?的な疑問も、マルチアングルの動画で解説してもらえる。
このサービス、初回30日間は無料レッスンで、そのあとからは月額19.98ドル。
これをサブスクリプションと呼んでもいいのですが、単純にスクールがアプリに置き換わったと言った方がいいでしょう。
いいとは思うのですが、うーん。個人的にはなんかもっと劇的にやってもらいたい。フェンダーにとっては、楽器店の向こう側にいたキッズと直接繋がれるタッチポイントを得たわけです。実はそれって、ヤマハが楽器店に併設していた音楽教室と同じなんですよね。あれも月謝制ですから、今風に言うと「サブスクリプション」です。
せっかくデジタル時代に、しかも超有名メーカーがやるのに、楽器というプロダクトと、やめないケアというサービスがうまくマッチしていないように思うわけです。たとえば、フェンダーのギターと、このサービスを組み合わせて「絶対にうまくなるエレキギター」という商品にして、初心者かつモテたい中二病の男子にターゲティングして訴求すればどうですか?もちろん、それにはギターもそれに最適化させて調整する必要もあったり、たとえば面倒くさい弦交換なんかをやりやすくしてあげるような、プロダクト上の工夫とかも必要ですが。こうやってタッチポイントと課金ポイントをいったりきたりして考えれば、顧客価値提案とマネタイズがベストマッチして、新たなビジネスモデルになりそうな拡がりが生まれそうに思います。
現在アプリからどんどん情報が集まっていることでしょうから、サブスクリプションの長所である、顧客とのつながりを利用して、そうしたプロダクトが生まれてくる可能性もありそうです。楽器メーカーの皆さん、いかがですか?笑。