「ARR」の版間の差分

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(関連用語:[[リカーリングモデル|リカーリング]];固定収入;MRR;サブスクリプション;チャーンレート)
 
 
 
ズバリ、年間で継続する収益のこと。
 
ズバリ、年間で継続する収益のこと。
 
Annual Recurring Revenue(アニュアル・リカーリング・レベニュー)の略です。アニュアルは年間の、リカーリングは繰り返す、レベニューは収益。文字通りですね。
 
Annual Recurring Revenue(アニュアル・リカーリング・レベニュー)の略です。アニュアルは年間の、リカーリングは繰り返す、レベニューは収益。文字通りですね。
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ARRは定期的に管理します。たとえば2月になったら、3月からの1年分のARRを求めます。もちろん3月基準のMRRをベースに。そうやって、今後一年間にどのように事業展開できるかが判明します。
 
ARRは定期的に管理します。たとえば2月になったら、3月からの1年分のARRを求めます。もちろん3月基準のMRRをベースに。そうやって、今後一年間にどのように事業展開できるかが判明します。
  
 
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[[File:Mp arr.png|ARR]]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
もちろん、こうしたサービスには解約もありますからその割合も同時に睨んでおく必要があります。(この解約率はチャーンレート(churn rate)と呼ばれます)。
 
もちろん、こうしたサービスには解約もありますからその割合も同時に睨んでおく必要があります。(この解約率はチャーンレート(churn rate)と呼ばれます)。
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ビジネスが破綻するのは固定費が大きな理由です。裏を返せば、固定収益が判明すれば、固定費を吸収できるかどうかが事前にわかり、破綻の可能性も小さくなります。素晴らしい尺度ですね。
 
ビジネスが破綻するのは固定費が大きな理由です。裏を返せば、固定収益が判明すれば、固定費を吸収できるかどうかが事前にわかり、破綻の可能性も小さくなります。素晴らしい尺度ですね。
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== 関連項目 ==
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* [[リカーリングモデル|リカーリング]]
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* 固定収入
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* MRR
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* サブスクリプション
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* チャーンレート

2018年4月17日 (火) 11:37時点における最新版

ズバリ、年間で継続する収益のこと。 Annual Recurring Revenue(アニュアル・リカーリング・レベニュー)の略です。アニュアルは年間の、リカーリングは繰り返す、レベニューは収益。文字通りですね。

年間の収益を測定するなら、売上高で十分では?、とお思いでしょうから説明します。 継続的な収入をえるビジネスにとって重要な尺度となります。継続的な収入はリカーリング収入と呼ばれます。このリカーリングがこれから一年の間にいくらあるのか、というのがARRです。

これを採用するのは、代表的にはサブスクリプション型の企業です。サブスクリプションは定期課金収入のことです。具体的には、ネットフリックスに代表される動画配信サービスや、SPOTIFYのような音楽とり放題サービス。

だいたいは月額いくらのサービスですが、継続してもらわないとほしいだけの利益を取ることが出来ません。そこで、

ものづくりやもの売り企業のような、ものを売って利益を完結させるという、商売のやり方では、製品単位で利益を計上するので、通常の売上高で良いです。 しかし、サブスクリプション型のサービスは、継続してようやくほしいだけの利益が得られますから、これから先どれくらいの収益が得られるのかを占う必要があります。そのときに、ARRが大切な役割を担います。

2018年1月から1年間のARRは、1月の月額継続収益を基準にして、それを12倍して予測します。ここで月額継続収益は、MRR(Monthly Recurring Revenue)と呼ばれます。具体的には、スポットで入ってくる収入はハズシます。たとえば税理士さんであれば、顧問料はMRRに含みますが、いきなり舞い込んだ相続の報酬は外します。

"ARR=MRR×12ヶ月" ※RRは継続収入のみ

ARRは定期的に管理します。たとえば2月になったら、3月からの1年分のARRを求めます。もちろん3月基準のMRRをベースに。そうやって、今後一年間にどのように事業展開できるかが判明します。

ARR

もちろん、こうしたサービスには解約もありますからその割合も同時に睨んでおく必要があります。(この解約率はチャーンレート(churn rate)と呼ばれます)。

ARRはいわば「固定収益」です。管理会計上、固定費という概念はありますが、固定収益はこれまであまりとりあげられませんでした。しかし、サブスクリプション型のサービスが現れてから、なんらかの名称をつけて、固定収益を評価し、管理できるようになったことは特筆するべきポイント。

ビジネスが破綻するのは固定費が大きな理由です。裏を返せば、固定収益が判明すれば、固定費を吸収できるかどうかが事前にわかり、破綻の可能性も小さくなります。素晴らしい尺度ですね。

関連項目